


もくじ
辛子めんたいこができるまで
辛子めんたいこって何の卵?

辛子めんたいこは、助宗鱈(スケソウダラ)という細長い魚の卵からつくられる食品です。助宗鱈は北の寒い海に生息し、冬から春先にかけて卵を産みます。日本では12月や1月ごろに漁が盛んになります。辛子めんたいこになる前の生のたらこは、初めはクリーム色ですが、凍らせると真っ白になるのです。


やますえのこだわりは、とれたての助宗鱈を洋上で捌き、その場で急速冷凍した生のたらこだけを使っていることです。港に戻ってから捌くと、臭みのある血が卵に浸透してしまうため味が落ちてしまうのです。
ポイント💡

ちなみに、工程によって「たらこ」の呼び方は変わっていきます。
- 収穫から塩漬けまで:「生のたらこ」
- 塩漬けから辛子漬けまで:「塩たらこ」
- 辛子漬けから:「辛子めんたいこ」

塩漬け
この工程では、生のたらこの塩漬けを行います。回転機とよばれる装置に、生のたらこと塩水を入れます。これを1時間に1回、装置を回転させて塩分を浸透させることで塩分のつかり具合を均一にしています。

樽(タル)に卵と塩水を入れた状態で漬け込むと樽の上部と下部のつかり具合にムラが出るため、攪拌(かくはん)が必要となります。
昔は約1時間に一度、違う樽に移し替えて攪拌する作業が一般的でしたが、手作業でこれを行うのは、かなりの重労働となります。作業員の負担を減らすことと、均一な塩分の漬かり具合を実現するために、現在ではタイマーを用いた回転機を用いることが一般的になっています。
丸一日回転機で塩漬けした塩たらこを、冷蔵庫でもう一日熟成させることによって塩カドを取ることができ、マイルドな仕上がりになります。




辛子漬け
辛子めんたいこの風味を決めるのは、次の4つの材料です。
- 出汁:鰹と昆布。しっかり冷ますのがポイント
- お酒:糸島の酒「芳醇」甘口でコクがある白糸酒造のお酒
- 醤油:糸島、カノオ醤油の「本醸造醤油すみれ」
- 唐辛子:優しいピリ辛、辛子めんたいこにぴったりの特注品



地産地消の味付けこそが、やますえの辛子めんたいこのこだわり!たらこがきちんと浸るまで調味液で浸します。ベテランの職人さんが全体に味が染み渡るようにかき混ぜていきます。
液切り・選別
漬け込みが終わると液切りの工程に移ります。液切りとは、辛子めんたいこを漬け込んでいたケースから調味液を抜く工程です。卵の中に溜まった調味液をしっかりと抜かないと、ぶよぶよしてしまい、辛子めんたいこ本来の食感を活かすことができません。また、調味液の味が濃くなり、本来の旨味がわかりにくくなります。液切りが辛子めんたいこのつぶつぶ感を左右するのです。

贈答用で、グレードの高い辛子めんたいこは人の手ほどの大きさになることも!



形が悪かったり、中身が出てきてしまった辛子めんたいこは加工品として利用されることとなります。通過した辛子めんたいこは、表面が綺麗なものが厳選されます。それだけでなく、選別は余計な膜の除去だけでなく、アニサキスといった寄生虫や異物を取り除く作業も含まれます。選別は品質管理上、とても重要な工程なのです。

計量
計量という工程では、あらかじめ指定されたグラム数になるようにトレーに辛子めんたいこをのせて、スーパーや量販店に発送できる形に整えます。




ベルトコンベアの早さに負けないように、職人さんも重さをチェックしながらトレーに辛子めんたいこをのせて運んでいきます。



それだけでなく、計量の際には「卵のサイズ・成熟度(皮の厚みや粒立ちの良さ)の品質もパック内で揃える」というこだわりがあります。


職人さんが盛り付けた辛子めんたいこは、重さを測る機械を用いて、指定された重量よりも少なくないか、入れ過ぎていないかをチェックします。

ポイント💡



ラッピング・箱詰め
正しい重量になった辛子めんたいこは、専用の機械でラッピングを行います。

異物のチェックは、ラッピングの後に行われます。金属探知機を使うことで、金属片等が誤って混入していないかを素早く確認することができます。


金属探知機のチェックが終わると、やますえブランドをあらわすラベルが貼られていきます。

最後に箱詰めです。パッケージの外側などに汚れがついていないか等のチェックを行いながら、段ボール箱に明太子をつめていきます。このように、やますえでは厳正なチェックを実施しており、これを通過した明太子のみが、私たちの食卓に届けられるのです。

やますえのこだわりは、ここまでの工程における厳格な温度管理。鮮度を重視するため温度を管理して、鮮度を最優先にした工場の設計を実現しています。
こだわりポイント💡



辛子めんたいこ「やますえ」の工場見学情報
社名 | 株式会社やますえ |
所在地 | 〒819-1134 福岡県糸島市多久523-1 |
最寄駅 | JR九州筑肥線 美咲が丘駅 または前原インターチェンジ |
電話番号 | 0120-417-511(フリーダイヤル) |
見学可能日 | 毎週月曜日~金曜日、第1・3・5土曜日の10:00~16:00 |
備考 | ※12:00~13:00は工場がお昼休みとなります。 ※日曜日、祝日、第2・4土曜日はパネル・ビデオでの見学のみ可能です。 |
内容 | 【簡易見学コース】 所要時間:約30分。1人様から受付可能です。 ・1階見学スペースにて、明太子の製造工程をパネルで解説 ・明太子や明太子を使った商品の試食(要予約) ・工場作業風景の見学(見学スペース) ・直売店でのお買い物 【じっくりお勉強コース】 所要時間:約60分。5人様から受付可能です。 ・2階食堂にて、明太子の製造工程をビデオで解説 ・明太子や明太子を使った商品のご試食(要予約) ・工場作業風景の見学(見学スペース) ・直売店でのお買い物 |
掲載情報は、2020年1月23日時点の情報です。詳細は株式会社やますえ様の公式ページをご覧ください。





【執筆・監修 オコスモ代表 1級FP技能士 古田拓也】